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VPNのプロトコルとは?

マモル

VPNサービスを契約して実際に使った人なら見たことがあるかもしれませんが、理解できている人は少ないので、ここでプロトコルについて簡単に説明しておきます。

プロトコルは、パソコンやスマホがお互いに情報を交換するときの「共通のルール」みたいなものでです。

人の会話にたとえるなら、あなたが友だちと話すとき日本語で話しますよね?

でも、もし友だちがいきなりフランス語で話し始めたら、あなたは何を言ってるのかさっぱりわからないと思います。

これと同じで、パソコンやスマホがお互いに情報を交換するためには、同じ「言葉」や「ルール」を使う必要があります。この言葉やルールがプロトコルになります。

VPNのプロトコルも同じで、情報をやり取りするさいのルールが決まってるんです。

なので、インターネットを使う状況によって適切なプロトコルは変わります。

たとえば、アメリカに行ったら「英語を話す」という「ルール」がありますし、フランスに行ったら「フランス語を話す」という「ルール」があります。

こんなふうに、

  • 動画を見るなら◯◯というプロトコルを使ったほうがいい
  • 速度よりもセキュリティを高めたいなら◯◯というプロトコルを使ったほうがいい

のように目的に合わせてプロトコルを使い分けたりすることができます。

クリックできる目次

プロトコル種類

ここではVPNにはどんなプロトコルがあるのか種類をまとめてみました。

理解しやすいよう補足イメージも記載しておいたので、参考にしてみてください。

  • PPTP(ピーピーティーピー)
    • PPTPは古くからあるVPNプロトコルです。設定が簡単で速度も速いですが、安全性は低いです。PPTPは南京錠のようなもので、開け閉めは簡単だけど、犯罪者がピッキングなどで開けるのも簡単のようなイメージのプロトコルです。なので最近は使われることが少なくなってきています。
  • IPSec(アイピーセック)
    • IPSecは、インターネット上でデータを暗号化するためのプロトコルです。これは鍵と暗証番号が必要な金庫のようなもので、安全性が高いですが、設定がやや複雑で速度も遅いとされています。
  • L2TP/IPSec(エルツーティーピー/アイピーセック)
    • L2TP/IPSecは、L2TPとIPSecを組み合わせたVPNプロトコルです。金庫の外と中に二重の鍵をかけるようなもので、安全性が高いですが、その分、開け閉めに時間がかかります。
  • IKEv2/IPSec(アイケーブイツー/アイピーセック)
    • IKEv2/IPSecは、IKEv2とIPSecを組み合わせたVPNプロトコルです。指紋認証付きの金庫のようなもので、安全性が高く、速度も速いですが、特定の指紋しか認識しないため互換性が低いです。
  • OpenVPN(オープンブイピーエヌ)
    • OpenVPNは、オープンソースのVPNプロトコルです。自分で組み立てられる金庫のようなもので、自由にカスタマイズできますが、その分、組み立てには技術が必要です。
  • SSTP(エスエスティーピー)
    • SSTPは、マイクロソフトが開発したVPNプロトコルです。これはWindows専用の金庫のようなものです。Windowsに最適化されているため、他のOSでは使えないことがあります。
  • WireGuard(ワイヤーガード)
    • WireGuardは、最新のVPNプロトコルです。最新技術を取り入れたスマートロックのようなもので、安全性が高く、速度も速いですが、まだ新しいため不具合が出ることもあります。
  • Lightway(ライトウェイ)
    • Lightwayは、ExpressVPNが独自に開発したVPNプロトコルです。これはExpressVPNを使った自動改札のようなものです。速度が速く、便利ですが、ExpressVPNでしか使えません。
  • NordLynx(ノードリンクス)
    • NordLynxは、NordVPNが独自に開発したVPNプロトコルです。これはNordVPNを使った自動改札のようなものです。速度が速く、便利ですが、NordVPNでしか使えません。

プロトコルの比較

プロトコルごとに比較すると次のようになります。

プロトコル名リリース日信頼性速度セキュリティ用途その他の特徴
PPTP1996インターネット接続の保護、プライバシーの保護、地理的制限の回避MS-CHAP v2認証メソッドを利用
L2TP/IPSec1999インターネット接続の保護、プライバシーの保護、地理的制限の回避L2TPとIPSecの組み合わせ、2重の暗号化
IPSec1998企業のリモートアクセスやサイト間VPN暗号化と認証のための標準を提供
OpenVPN2001インターネット接続の保護、プライバシーの保護、地理的制限の回避オープンソース、高いカスタマイズ性
IKEv2/IPSec2005インターネット接続の保護、特にモバイル環境での利用、プライバシーの保護セッションの継続性に優れ、再接続が速い
SSTP2007Windows環境でのインターネット接続の保護、プライバシーの保護HTTPS上で動作、ファイアウォール対策が強い
WireGuard2016インターネット接続の保護、プライバシーの保護、地理的制限の回避シンプルで高速、コードベースが小さい
NordLynx (NordVPN)2019NordVPNユーザーのインターネット接続の保護、プライバシーの保護WireGuardの性能と速度を活用、プライバシー保護に配慮
Lightway (ExpressVPN)2020ExpressVPNユーザーのインターネット接続の保護、プライバシーの保護高速な接続と再接続、低いリソース消費

プロトコルの選び方

それぞれのVPNプロトコルが使われる具体的なシチュエーションをまとめました。プロコトルを選ぶさいの参考にしてください。

プロトコル名最も適しているシチュエーション
PPTP速度が重要で、セキュリティはそれほど重要ではない場合。例えば、動画をサクサク見たいときなど。ただしセキュリティ弱いため、どうしても使う理由がなければ使わなくていいプロトコルです。
L2TP/IPSecより安全な接続が必要な場合。例えば、会社の情報を自宅から安全にアクセスしたいときなど。
IPSec企業での通信で使われることが多い。会社のオフィス間で安全に通信したいときなど。
OpenVPN自分で詳細な設定をいじるのが好きな人、あるいは、特別な設定が必要な場合。
IKEv2/IPSec移動中でも安定した接続を保つことができるため、スマホをよく使う人に適している。
SSTPWindowsを使っている人にとっては最適。インターネット接続が制限されている場所でも使える。
WireGuard最新の高速接続を求める人に最適。大量のデータ転送や動画視聴に適している。
NordLynx (NordVPN)NordVPNを使っている人で、安全で高速な接続を求める場合。地理的に制限されたコンテンツにアクセスしたいときにも使える。
Lightway (ExpressVPN)ExpressVPNを使っている人で、早く安全な接続を求める場合。ネットワークを頻繁に変えるスマホユーザーにも適している。
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