VPNについて次のような疑問はありませんか?
- VPNってなにに使うの?
- セキュリティのために使ったほうがいいってホント?
- セキュリティ以外の使い道はあるの?
ホント、VPNってなにに使われてるのかイマイチわからない…。
そこで、この記事ではVPNがどのような場面で、どんな使われているのかを解説しました!
それではVPNの使い道を見てきましょう。
VPNの用途
VPNの用途をリストにまとめると次のようになります。
- 個人のプライバシー保護
- 企業のリモートアクセス
- 地域制限の回避
- インターネット検問の回避
- オンラインゲームの遅延改善や地域限定ゲームの購入
- ダーティーな世界へ足を運ぶさいのリスク回避
GWI(海外の統計データ調査会社)のデータを見ると、日本では31%がプライバシーを守るために使われているとのことです。
僕は、リモートワークやフリーWi-Fiに接続するさいに使っている人が多い印象があったのであながち間違えてはいなかったようです。
では、先ほどのリストを、もう少し深掘りしてみましょう。
個人のプライバシー保護
ネットショッピング、ネット銀行などの取引情報を保護するために使う
ネットショッピングやネット銀行では個人情報というものをこれでもかというぐらい扱います。
住所や収入、クレジットカード情報など、バレたらダメージは計り知れません。
なので、そういう個人情報の取り扱いをVPNで暗号化して、第三者による不正アクセスを防ぐために使ったりするということです。
とはいえ、一般的なネットショップやネット銀行は、httpsでデータ通信を暗号化しているため、取引データが第三者に漏洩するということは、ほぼありません。
オンラインショップやネット銀行で注意すべきことは、そっくりに作られた偽サイトなのに気づかずにログイン情報を入力してしまうことです。
これはフィッシング詐欺といわれるもので、VPNでは防げないものです。
なので、オンラインショップやネット銀行の不正アクセスに対して、VPNを使うというのは僕は理由として弱いかなと思います。
無料Wi-Fに接続するさい第三者によるデータ盗み見を防ぐために使う
公共の場所やカフェなどで提供されているフリーWi-Fiは便利ですが、セキュリティが十分でないことがあります。
セキュリティ十分じゃないどころか、Wi-Fiスポット名(SSID)を偽装して騙すような悪人もいるので注意が必要なんです。
スポット名を偽装というのは、たとえばドトールのフリーWi-Fiのスポット名が仮に「ドトー[ル]フリーワイファイ」だとしたら、「ドトー[リ]フリーワイファイ」のように名前を似せるということです。
偽のWi-Fiスポットだと気づかずに接続したままネットをすると、通信ログが全てバレてしまいます。
見たサイト、SNSにログインしたさいのIDとパスワード、これらが悪意をもった人にバレてしまうということです。
ですが、VPNを使うと仮に偽Wi-Fiスポットに繋げてしまっても、通信ログは暗号化されるため悪人にバレません。
なのでフリーWi-Fi接続時にはVPNを使ったりするということですね。
あと自動でフリーWi-Fiスポットに接続されるような設定にしてるならVPNは必須です。
お伝えした通り、フリーWi-Fiはリスクがあるので、自動接続された先が悪意のあるものなら、情報が筒抜けになってしまいます。
IoT機器への第三者による不正アクセスを防ぐために使う
IoT機器というのは、ネットと繋がっている機器のことです。
いまの時代だと一家に一台ぐらいはあるんじゃないでしょうか?
たとえば、外出先から起動できるロボット掃除機、外出先から消せる照明、ペットなどの監視カメラもIoT機器になります。
IoT機器に不正アクセスされると、エアコン消して外出したのに、帰ってきたらついてたなんてことになりかねません。
カメラが勝手に動くとかもありえます…怖いですよね。
カメラの映像を自動でクラウドに保存されるように設定していた場合、データが暗号化されていないと、その過程で録画映像の内容を見られるリスクがあります。
また、IoT機器を起点に家中のネットワークへ不正アクセスされる危険性もあります。
なので、IoT機器への不正アクセスされるのを防ぐためにVPNを使うということです。
また、IoT機器はデフォルトのパスワードを使わないことが大事です。
怖い話をすると、世の中には家庭内のカメラの映像を公開しているサイトがあったりするみたいです。
自分の家の映像を自分で公開しているわけじゃありません。
自分の家のカメラの映像を他人が勝手に公開しているのです。
もちろん、公開されている側は気づいていません。
なぜ、そういうことが起こるのかというと、パスワードをデフォルトのまま使っているからです。
デフォルトパスワードは「機器名+デフォルトパスワード」で検索すればすぐにわかります。
すこし技術がある人ならすぐ不正アクセスできてしまいます。
なので、IoT機器はVPN使うだけでなく、デフォルトパスワードを変更するなどの対策も重要になります。
企業のリモートアクセス
企業間で安全にデータを共有するために使う
これは支社と本社がネットを通じて情報を交換するさいに、機密性の高い文書やファイルを安全に送受信するために使うということです。
VPNを使えば仮にデータを送信する過程で、第三者に内容を見られても大丈夫。
内容は暗号化されるので解読される心配はありません。
そうした理由でVPNを使っている企業は多いです。
実際、総務省が公開している資料をみると、かなり高い使用率なのは確認できます。
これだけ使われていると、会社経由でVPNの存在を知った人も少なくないでしょう。
在宅勤務や出張中の社員が会社内のデータにアクセスするために使う
さきほどのは、会社と会社のデータのやりとりでしたが、これは会社と会社員のデータのやり取りですね。
たとえば、自宅から会社のサーバーに入るためや、ホテルのWi-Fi経由で業務アプリを使用するさいにVPNを活用します。
コロナ禍を切っ掛けにリモートワークを導入した会社も多くありましたが、そのさいに会社からVPNの使用を義務づけられた方もいるんじゃないでしょうか。
あと、VPNだと知らされないで使ってるケースもあると思います。
たとえば、家から会社のパソコンにログインするときは、これをインストールして、起動したあとにリモートアクセスの設定でうんたからんたらで、このIDとパスワードと使ってログインしてね。
みたな指示をだされている方もいると思いますが、このときにVPNを使っているかもしれません。
このようにVPNは、企業で普通に使われていることが多いですね。
地域制限の回避
海外旅行中に毎週見てる番組を見たりSNS投稿をするために使う
配信サービスなどは海外からのアクセスを禁止していることがあるので、旅行先から見たい番組が見れなくなることがあります。
ですが、旅行先からVPNを使うとネット上の位置情報を偽装できるので配信サービスなどが見れるようになります。
また、InstagramやXなどのSNSも旅行先によってはアクセスできないので、そういったさいにVPNを使って投稿するというわけです。
他国の制限されているサイトやサービスにアクセスするために使う
僕はジブリが好きで定期的に見たくなるんですけど、日本でジブリが配信されてるサービスはないんです。
でも海外のNetflixでは普通にジブリが見れるので、VPNを使って位置情報を海外にするとジブリを見れるのです。
このように地域制限を回避するためにVPNを使うというケースもあります。
あと、海外のニュースサイトも制限されていることが多々あるので、そういうのを見るさいにも使ったりします。
ただし、そういったサービスでVPNを使うのは利用規約違反のこともあるので、アカウントを停止させられたりする可能性は無きにしもあらずです。
なので使ってなにがあっても自己責任です。
念の為お伝えしておくと、僕はVPNの検証のためにヘビーな使い方をしていたことがますが、アカウントが停止させられたことはありません。
それをふまえると、VPNを使うことでアカウントが停止することはほぼないと思います。
あくまでも僕の感想です…。
ちなみにNetflixはVPNを使用しての番組視聴は規約で禁止はしていません。
ただVPNを使用することでエラーで再生されないということはあります。
選考リリースされる海外のサービスを試す
この使い方は他のサイトで紹介されているのを見たことがないので、番外編的な使いかもしれません。
とはいっても、やってる人はやってると思います。
僕の例でいうと、次のような感じで使ってました。
BingAI、bird(現Gemini)、ClaudeというAIチャットサービスがあるんですが、どれも海外で先に使えるようになって日本では使えませんでした。
ですが、VPNを使い海外からのアクセスと見せかけて日本で使えるようになる前に使ってました。
そうすると、日本ではほとんど知られていない情報を先に知ることができるので、SNSで情報発信などでドヤ顔ができると…。
情報の速さは、仕事をする上で重要になったりするので、わりと実益のある使い方だと個人的には思ってます。
他にも、海外のサービスは日本から使えないものも多いのですが、そういったサービスを利用できるのは、強みになるケースがあります。
インターネット検問の回避
アクセスが制限されている国や地域で自由にネットをするために使う
日本にいるとネットが制限されるというのも想像しにくいですが、中国だとグレートファイアウォールという鉄壁の検問がおこなわれていたりします。
なので、中国でXはできないし、Facebookは見れないし、You Tubeも見れません。
でもVPNを使うと中国でも海外のWEBサービスが利用できるようになります。
ロシアなんかもガッチガチの情報規制がされていますが、若者はVPNを使って海外のニュースサイトで情報を得たりしているなんてニュースもありましたね。
そういった国の人だけではなく、そこに滞在している外国の方などにもVPNは使われています。
仕事で滞在しているのに、日本とネットを通じて連絡が取れないとなっては困りますよね。
そういった方にVPNの使用は必須ということです。
ジャーナリストが情報を得たり外部との連絡するために使う
ジャーナリストの中には、危険な紛争地帯などに足を運んで現地のリアルな状況を伝えたりする方もいます。
ですが、そういった地域は情報規制がされており、自由にネットで情報をやり取りすること自体難しいものです。
通信を傍受されて敵に戦略が筒抜けになるなんてことは、絶対に避けなきゃならないことですからね。
だからちょっとしたメールを送るのも一苦労なわけです。
そんなときに、ジャーナリストはVPNで安全な通信を確保して、安全に情報を収集したり、信頼できる情報源と連絡を取ったりするわけです。
実際、Proton(VPN提供会社)はRSF(世界中のジャーナリストの自由と独立を守るために活動する国際NGO)に所属するジャーナリストに対して、紛争地帯や抑圧的な政権下での活動を支援するためVPNサービス無料で提供していたりします。
このような支援からもわかるように、リスクの高い環境で活動するジャーナリストにとって、VPNは必須のツールとして使われているということですね。
オンラインゲームの遅延改善や地域限定ゲームの購入
オンラインゲームの遅延を減らすために使う
オンラインゲームの遅延を減らすためにVPNを使う方もいます。ただし、これに関しては常に効果があるわけではありません。
VPNを使うと通信が暗号化されるため、VPNを使わない場合より処理時間が増えることになります。
なので、オンラインゲーム中にVPNを使うと遅延が増えるのが普通です。
ですが、ゲームによっては特定の地域のサーバーを最適化していることもあったりします。
そういった場合にVPNを使い、特定地域のサーバーに接続してプレーをすることで遅延が減る可能性はあります。
あと、ネット環境が悪ければ、VPNを使うことで最適化されて、ラグが少なくなるケースもあります。
ただ、他のVPN利用のケースに比べると、オンラインゲームでのVPN利用は効果を感じづらいものだと思ってます。
なのでゲームの遅延を減らすためにVPNを使おうと思っているなら、さきに他のことを試したほうがいいです。
たとえば、無線でゲームしてるなら有線にするだけで、ラグが解消されたりします。
またルーターがプロバイダーから提供されているものを使ってるなら、ゲーム用に最適化されたものに変えるのも有効です…ちょっと高いですが。
詳しくは次の記事でまとめてるので確認してみてください。
地域限定で販売されているゲームを購入するために使う
Steamなどで、日本から購入できないゲームを購入するためにVPNが使われることがあります。
ちなみに日本から購入できないゲームのことを「おま国」というらしいです。「お前の国には売ってやんねーよ」のネットスラングとのこと。
たとえば、この次のリンクのゲーム購入ページにいくと、ページが表示されませんよね(ログアウトしてるとページは表示されますが買い物カゴに入りません。
VPNを使うと、こういったゲームを購入できるようになるのです。
ただ、Steamでおま国ゲームを購入するには、「VPNで地域変更+Steam設定での地域変更」をしなければならずハードルが高いです。
地域変更が設定から自由にできないのが、ハードルの高さの原因です。
なので新規でおま国専用アカウントを作るのがスムーズだと思います。
アカウントを作るさいにVPNを使い地域情報を変更して、おま国が回避できる国で登録。
そして、おま国ゲームを購入。という流れです。
試したことはないので、これで購入できるかわかりませんが、おそらく購入できるのではないかと…。
なお、おま国ゲームをVPN利用で購入するのは、Steamの規約違反らしいのでご利用は自己責任になります。
ダーティーな世界へ足を運ぶさいのリスク回避
P2Pファイル共有のリスク回避
ここでいうP2Pファイルの共有は、トレントファイルの共有として解説します。
P2Pはファイル共有以外にも使われるものなので、詳しく知りたい方は調べてみてください。
トレントファイルがなにかわからないと意味不明だとは思うので、めちゃくちゃザックリ説明します。
たとえばネット上の特定の場所に「僕、Aさん、Bさん、Cさん」がいるとして、ABCさんそれぞれが新作映画の動画ファイルを持っていたとします。
そして、僕がその新作映画が見たいと思い、ABCさんに向かって「新作映画をください!」というと、ABCさんから新作映画の動画ファイルが送られてくるんです。
みんなでファイルを共有するということですね。
もしここでネットの特定の場所に「Dさん」が現れて、Dさんも「新作映画が見たい」というと今度は、「僕、Aさん、Bさん、Cさん」が「Dさん」に新作映画のファイルを送信することになります。
こんなふうに、特定のファイルを持っている人が増えれば増えるほどファイルを送るスピードが早くなっていくんです。
なのでP2Pのファイル共有は大きな容量のファイルもスピーディーに共有できるというメリットがあります。
ただ、この仕組を使ってファイルを共有すると、「僕、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん」というのは、それぞれのIPアドレスが公開されている状態になっています。
それ自体は問題ありませんが、問題は新作映画を共有するのは、バリバリの著作権違法行為でやったら捕まってもおかしくないということです。
そこでファイル共有を行うときに、VPNを使いIPアドレスを隠すことで違法行為がバレないようにしているということです。
もちろん、全員が全員違法な共有をしているわけではありませんが、VPNをそういう目的で使っている人はいます。
なお、イメージしやすいように悪い行為で説明しましたが、P2Pで合法のファイル共有をするさいにIPを隠してセキュリティを上げるという目的でVPNを使うこともあります。
むしろそっちが真っ当な使い方です。なので悪いことにVPNは使わないようにしましょう!
あと、念のため補足しておきますが、P2Pは技術なだけで違法でもなんでもありません。
LINEなどでも使われている素晴らしい技術です。
ダークウェブに足を踏み入れるさいのリスク回避
ダークウェブ…。文字だけで怪しい。聞いたことだけはある人も多いかもしれませんね。
ダークウェブがなにかというのは、ここでは説明しませんが、なかなかろくでもない場所ではあります。
なので、ダークウェブに行く前にセキュリティを高められるだけ高めるためにVPNを使うということですね。
ちなみにろくでもないとは言いましたが、もともとはアメリカ海軍が機密性の高い通信を安全に行うために開発されたものだったりします。
なので、ダークウェブの存在自体が悪ではないというのは付け加えておきます。
あとがき
今回は、「VPNの用途」について紹介しました。
Netflixでジブリが見れたり、地域限定のサービスを使えたり…。
セキュリティやプライバシーを守るためだけにVPNを使うと思っていた方には、新鮮な内容だったかもしれません。
また、ダーティーな使いかたなんかもあって、VPN大丈夫…?なんて思った方もいるかもしれませんね。
いずれにせよ、ネットを使った新しいサービスはこれからもでてくるので、VPNの需要も高まるでしょう。
ネットセキュリティは他人任せにしてもろくな事にならないので、自分で守る!という意識でVPNをうまく活用してみてください。