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4種類のVPNを徹底解説!各VPNのメリット・デメリットや利用シーンを解説

マモル

今回は、4つの主要なVPNの種類、

・インターネットVPN
・エントリーVPN
・IP-VPN
・広域イーサネット


について、それぞれの特徴や仕組み、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

それぞれのVPNがどのような場面で役立つのか、個人利用にも向いているのかを詳しく見ていきましょう。

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インターネットVPN:低コストで手軽に始められる、個人利用の定番!

マモル

インターネットVPNは、僕たちがいつも使っているインターネット回線を利用してVPNを作る方法です。

ネット上で取り上げられるVPNは、ほぼインターネットVPNのことになります。

高価な専用回線を新しく用意する必要がないので、個人ユーザーに使われることが多いですが、小規模事業者やスタートアップ企業にもよく使われていますね。

NordVPNやExpressVPN、Surfsharkなど、世界中に多くのサービスがあり、自分にあったものを選べます。

インターネットVPNの仕組み

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インターネットVPNは、VPNサーバーとあなたのスマホやパソコンなどのデバイス間を仮想的なトンネルで繋ぎ、そのトンネル内を通るデータを暗号化することで安全性を確保します。

具体的な仕組みは次のとおりです。

  1. ユーザーがVPNクライアントを起動する
  2. VPNクライアントが認証情報をVPNサーバーに送信する
  3. VPNサーバーが認証情報を確認する
  4. 認証が成功すると、VPNトンネルが確立される
  5. ユーザーのデータが暗号化される
  6. 暗号化されたデータがVPNトンネルを通じて送信される
  7. VPNサーバーが暗号化されたデータを受け取る
  8. VPNサーバーがデータを復号化する
  9. 復号化されたデータがインターネットに送信される
  10. インターネットからのデータがVPNサーバーに戻る
  11. VPNサーバーが戻ってきたデータを暗号化する
  12. 暗号化されたデータがVPNトンネルを通じてユーザーに送信される
  13. ユーザーのVPNクライアントがデータを受け取る
  14. VPNクライアントがデータを復号化する
  15. ユーザーが復号化されたデータを利用する
専門用語の解説
  • VPNクライアント:ユーザーがVPNに接続するためのソフトウェア
  • VPNサーバー:VPNクライアントと通信し、データの暗号化と復号化をおこなうサーバー
  • 認証情報:ユーザー名やパスワードなど、ユーザーを認証するための情報
  • VPNトンネル:VPNクライアントとVPNサーバー間で確立される暗号化された通信路
  • 暗号化:データを第三者が理解できない形式に変換すること
  • 復号化:暗号化されたデータを元の形式に戻すこと

このように、あなたがインターネットVPNサービスに接続すると、データは暗号化された後、目的のウェブサイトやサービスに届けられます。

これにより、第三者によるデータ盗聴やなりすましなどを防ぐことができるというわけです。

インターネットVPNのメリット・デメリット

メリット

  • 低コスト: インターネットVPNは、いまあるインターネット回線を使えるので、専用回線を引く必要がありません。そのため、導入費用や運用費用を大幅に抑えれます。
  • 導入が簡単: インターネットVPNは、専門的な知識がなくても、比較的簡単に導入できます。VPN対応のルーターやアプリを設定するだけなので、慣れていれば数分、初めてでも十数分で利用を開始できるでしょう。
  • 柔軟性が高い: インターネットVPNは、インターネット環境さえあれば、場所を選ばずに接続することができます。自宅はもちろん、オフィスやカフェ、出張先などから安全にインターネットにアクセスできるので、リモートワーカーなどにも愛用されています。

デメリット

  • セキュリティレベル: インターネットVPNのセキュリティレベルは、サービスを提供している会社によって大きく異なってきます。これは、会社が採用している技術やセキュリティ対策のレベルが違うためです。とくに無料のインターネットVPNなどは注意しなければなりません。
  • 通信速度: インターネットVPNは、普段使っているインターネット回線を使うので、回線が混雑している時間帯は、通信速度が遅くなることもあります。

インターネットVPNの利用シーン

  • 小規模事業者やスタートアップ企業:コストを抑えながら、セキュリティ対策を強化したい場合に最適です。
  • テレワーク導入企業:従業員が自宅や外出先から安全に会社のネットワークにアクセスできるようにするために、セキュリティ対策は欠かせません。インターネットVPNは、比較的低コストで導入できるため、テレワークを導入している企業にもおすすめです。
  • 個人利用の場合は次のような用途に使われることが多いです
    • 公共のWi-Fiを使う時に、セキュリティを強化する
    • 日本で利用できない海外のウェブサイトやサービスを利用する
    • インターネット上で自分の情報を知られないようにする

インターネットVPNは個人で使える?

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インターネットVPNは、低コストで導入しやすく、使い方もソフトをインストールして接続するだけと簡単なので、個人で使うVPNとしてベストだといえます。

むしろ個人向けVPNといっても差し支えないですね。

個人向けといってもセキュリティレベルは十分なので、小規模事業者であれば十分なセキュリティ対策になります。

インターネットVPNの導入手順

  1. 信頼できるインターネットVPNサービスを提供している会社を選びましょう。
  2. 選んだ会社のウェブサイトでアカウントを作成し、プランを選びましょう。
  3. 利用するスマホやパソコンにVPNアプリをダウンロードして、インストールしましょう。
  4. アプリにログインし、VPNサーバーを選んで接続しましょう。

2. エントリーVPN:コストとセキュリティのバランスが良い、中小企業の頼れる存在

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エントリーVPNは、インターネットVPNと専用回線VPNの長所を組み合わせることで、コストを抑えながらも高いセキュリティを持つのが特徴です。

たとえばインターネット回線を利用しつつ、通信事業者の閉域網を活用することで、外部からの脅威に強いシステムを構築できます。

これにより企業は安心してデータを扱えるようになります。

セキュリティ対策が重要視される中、コストとのバランスを考慮した場合、エントリーVPNはとても適した選択肢ではないでしょうか。

エントリーVPNの仕組み

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エントリーVPNもインターネットVPNと同じでインターネット回線を使いますが、エントリーVPNはデータがインターネットを直接通るのではなく、まずゲートウェイという特別な中継地点を経由して、その後、専用の安全なネットワーク(閉域網)を通るという点です。

閉域網というのは、限られた人しか使えない特別な回線なので、セキュリティがすごく高いんですね。

閉域網のおかげで通信速度も安定しやすく、インターネットの混雑状況に影響されにくいため重要なデータ通信も安心して行えるんです。

具体的な仕組みは次のとおりです。

  1. デバイスがVPNクライアントを起動する
  2. VPNクライアントがVPNサーバーと接続を確立する
  3. デバイスから送信されるデータがVPNクライアントで暗号化される
  4. 暗号化されたデータがゲートウェイを経由してVPNサーバーに送信される
  5. VPNサーバーがデータを受信し、復号化する
  6. 復号化されたデータがインターネット上の目的のサーバーに送信される
  7. 目的のサーバーからの応答データがVPNサーバーに戻る
  8. VPNサーバーが応答データを再度暗号化する
  9. 暗号化された応答データがゲートウェイを経由してデバイスに送信される
  10. デバイスのVPNクライアントが応答データを復号化する
専門用語の解説
  • VPNクライアント:ユーザーのデバイスにインストールされるソフトウェア、VPN接続を確立し、データを暗号化する役割を持つ
  • 閉域網:特定のユーザーや機器だけがアクセスできるネットワーク。インターネットとは異なり、外部からの接続が制限されているためセキュリティが高い
  • ゲートウェイ:異なるネットワーク間の通信を仲介する装置やソフトウェアで、異なるプロトコルを使用するネットワーク間でデータをやり取りできるように変換・中継する
  • VPNサーバー:VPNクライアントと接続し、データの暗号化・復号化をおこなうサーバー
  • 暗号化:データを特定のアルゴリズムを使って変換し、第三者に読まれないようにする手法
  • 復号化:暗号化されたデータを元の状態に戻すプロセス
  • 接続を確立する:デバイスとサーバー間で通信可能な状態を作ること

エントリーVPNを理解するポイントは、データはまずインターネットという一般道路を通りますが、そのまま目的地に向かうのではなく、特別な中継地点であるゲートウェイを経由します。

このゲートウェイを通過すると、データは専用のトンネルである閉域網に入ります。

インターネットVPNでもトンネリングという似た技術を使っていますが、トンネリングは公共のインターネットを使って仮想的なトンネルを作るのに対し、閉域網は専用回線なのでより強固なセキュリティを確保します。

エントリーVPNのメリット・デメリット

メリット

  • 比較的低コスト: エントリーVPNは、専用回線を全て使うIP-VPNと比べて、導入費用や運用コストを抑えることができます。コスト面で導入をためらっていた企業にとって、嬉しいポイントです。
  • セキュリティ強化: エントリーVPNは、インターネットVPNと比べて、通信の一部区間で通信事業者が提供する閉域網を利用します。閉域網は、不特定多数がアクセスできるインターネット回線とは異なり、限られたユーザーのみが利用できるため、セキュリティレベルが向上します。
  • 導入の柔軟性: エントリーVPNは、インターネットVPNの手軽さと、専用回線VPNの高いセキュリティレベル、その両方の良いところを兼ね備えています。そのため、会社の規模やニーズに合わせて、柔軟にネットワークを構築することができます。

デメリット

  • 通信速度: エントリーVPNは、インターネットVPNと同様に、一部区間でインターネット回線を利用するため、回線の混雑状況によって速度が不安定になる可能性があります。常に安定した通信速度を求める場合は注意が必要です。
  • カスタマイズ性: エントリーVPNは、IP-VPNや広域イーサネットと比べると、ネットワークを自由にカスタマイズできる範囲が狭いです。これは、通信事業者が提供するサービス内容によって制限されるためです。もし、もっと自由にカスタマイズしたい場合は、他のVPNサービスを検討する必要があるでしょう。

エントリーVPNの利用シーン

  • 中小企業: 中小企業は、限られた予算の中で、セキュリティ対策とコストのバランスをうまくとることが重要です。エントリーVPNは、そんな中小企業にとって、コストを抑えつつセキュリティレベルを高められる、心強い味方となってくれるでしょう。
  • IP-VPNを導入するほどの規模ではない企業: IP-VPNは非常に高いセキュリティレベルを誇りますが、その分コストも高くなってしまいます。そのため、導入できる企業規模が限られてしまうのが現状です。エントリーVPNは、IP-VPNを導入するほどの規模ではない企業でも、比較的低コストで高いセキュリティレベルを実現できるため、有効な選択肢となります。

エントリーVPNは個人でも使える?

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エントリーVPNは、主に企業向けに作られたサービスなので、個人で利用することはほとんどありません。

エントリーVPNの導入手順

  1. エントリーVPNサービスを提供している通信事業者やVPNサービス会社を選びましょう。
  2. 必要なセキュリティレベルや通信速度などを考慮して、最適なプランを選びましょう。
  3. サービスプロバイダーの指示に従って、必要な機器の設置や設定を行いましょう。

3. IP-VPN:最高レベルのセキュリティと安定性を誇る、重要なシステムに最適な選択肢

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IP-VPN (Internet Protocol – Virtual Private Network) Iは、通信事業者が提供する特別なネットワークサービスで、安全性が求められるビジネス向けです。

企業の拠点間でのデータ通信をおこなうさい、クローズドな環境なので外部からの脅威を避けられます。

一般的なインターネット回線と違って、不特定多数のデータが流入しないので、通信も安定していて高品質なのが特徴ですね。

ですからデータの流れがスムーズで、業務が円滑に進みます。

こうした特徴により、とくに金融機関や医療機関など、高いセキュリティが求められる業界での利用が目立ちます。

IP-VPNの仕組み

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IP-VPNは、通信事業者の閉域網上に、顧客専用の仮想的なネットワークを構築します。

このネットワークは、他の顧客のネットワークとは完全に分離されているため、外部からのアクセスを完全に遮断し、安全かつ安定した通信を実現することができます。

具体的な仕組みは次のようになっています。

  1. ユーザーのデバイスがインターネットに接続される
  2. ユーザーのデバイスがVPNクライアントソフトウェアを使ってVPNサーバーに接続する
  3. VPNクライアントがユーザーのデータを暗号化する
  4. 暗号化されたデータがインターネットを通じてVPNサーバーに送信される
  5. VPNサーバーが暗号化されたデータを受信する
  6. VPNサーバーがデータを復号化する
  7. 復号化されたデータがIP-VPNネットワーク内の目的地に転送される
  8. 目的地のデバイスがデータを受信する
専門用語の解説
  • IP-VPNネットワーク: インターネットを利用して複数の拠点を安全に接続するネットワーク構成
  • IP-VPN: インターネットプロトコル仮想プライベートネットワークの略称、企業内ネットワークをインターネットを介して接続する技術
  • VPNクライアント: ユーザーのデバイスにインストールされるソフトウェア、VPNサーバーに接続するために使用
  • 暗号化: データを第三者が読み取れないように変換する技術
  • VPNサーバー: VPNクライアントからの接続を受け入れるサーバー、データの暗号化と復号化をおこなう
  • 復号化: 暗号化されたデータを元の状態に戻す技術

IP-VPNのメリット・デメリット

メリット

  • 高いセキュリティ: IP-VPNは、インターネットを経由せず、通信事業者の閉域網のみを使うため、外部からの不正アクセスやデータ盗聴のリスクを限りなくゼロに近づけることができます。そのため、企業の重要な機密情報や顧客情報など、絶対に守らなければならないデータを扱う場合に最適です。
  • 安定した通信品質: IP-VPNは、インターネット回線のようにデータが集中することがないため、常に安定した通信速度を保つことができます。そのため、大容量データの送受信や、リアルタイム性が求められるシステムに最適です。
  • サービス品質保証 (SLA): 多くの通信事業者は、IP-VPNサービスにおいて、一定以上のサービス品質を保証するSLA (Service Level Agreement) を提供しています。SLAによって、通信速度や稼働率などが保証されるため、安心して利用することができます。
  • スケーラビリティ: IP-VPNは、会社の成長や事業の拡大に合わせて、ネットワークの規模を柔軟に変えることができます。新しい拠点が増えた場合や、もっと速い通信速度が必要になった場合でも、柔軟に対応できます。

デメリット

  • 高コスト: IP-VPNは、高品質な通信とセキュリティを提供してくれる一方で、初期費用や毎月の費用が高額になってしまいます。そのため、導入コストを抑えたいという企業にとっては、大きなデメリットと言えるでしょう。
  • 導入の複雑さ: IP-VPNを導入するには、ネットワークに関する専門的な知識が必要となります。そのため、専門の担当者を置くか、外部の業者に依頼する必要があり、導入までに時間がかかったり、運用管理が大変になる可能性があります。

IP-VPNの利用シーン

  • 大規模企業: 複数の拠点間で、安全かつ安定した通信環境を構築する必要のある大規模企業。
  • 金融機関や官公庁: 機密性の高い情報を扱うため、非常に高いセキュリティレベルが求められる組織。
  • 医療機関: 電子カルテや診療情報のやり取りなど、機密性の高い情報を取り扱う医療機関。

IP-VPNは個人でも使える?

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IP-VPNは、その高コスト、導入の複雑さ、過剰な機能などの理由から、一般的に個人利用には使われることはありません。

個人利用では、インターネットVPNやエントリーVPNで十分なケースがほとんどです。

IP-VPNの導入手順

  1. IP-VPNサービスを提供している通信事業者を選びましょう。
  2. どんなネットワーク構成にするか、必要な通信速度はどのくらいかなどを決定し、見積もりを依頼しましょう。
  3. 通信事業者と契約を結び、回線敷設や機器の設置を行いましょう。
  4. ネットワークの構築および設定を行い、問題なく動作するかを確認しましょう。

4. 広域イーサネット:柔軟なカスタマイズ性と高セキュリティを両立、高度なネットワークを求めるあなたへ

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広域イーサネット (Wide Area Ethernet) は、通信事業者が提供する閉域網を使って、離れた拠点同士をイーサネットフレームでつなぐVPNサービスです。

IP-VPNと似たような高いセキュリティと安定性をもっているのに、より柔軟にネットワーク構築ができるのが広域イーサネット魅力ですね。

とくに、IP-VPNでは対応できない特殊なプロトコルや技術が必要な場合、広域イーサネットが力を発揮することになります。

たとえばリアルタイムデータ処理やクラウドサービスとの連携を考えると、広域イーサネットが有効な選択肢になるでしょう。

広域イーサネットの仕組み

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広域イーサネットは、通信事業者の閉域網を利用して、顧客の拠点間をイーサネットの規格で接続します。

イーサネットはLAN(Local Area Network)で広く使われている通信規格ですが、広域イーサネットではこの技術を応用して、広範囲のエリアをカバーするネットワークを構築します。

  • ユーザーがネットワークに接続する
  • データがユーザーの端末から送信される
  • データがローカルネットワークを通過する
  • データがプロバイダのネットワークに到達する
  • プロバイダのネットワークでデータが適切な経路にルーティングされる
  • データが広域ネットワークに転送される
  • 広域ネットワーク内でデータが複数の中継点を経由する
  • データが目的地のプロバイダのネットワークに到達する
  • プロバイダのネットワークでデータがローカルネットワークにルーティングされる
  • データが目的地のユーザー端末に到達する
専門用語の解説
  • 中継点:データの転送をおこなうための中間地点
  • ネットワーク:コンピュータやそのほかのデバイスが相互に通信するためのシステム
  • ローカルネットワーク:限定されたエリア内でのデバイス間通信をおこなうネットワーク
  • プロバイダ:インターネット接続サービスを提供する企業
  • ルーティング:データが送信元から目的地まで効率的に移動するための経路を決定するプロセス
  • 広域ネットワーク:広い地理的範囲にわたるネットワーク

広域イーサネットの仕組みを理解するためのポイントは、LANの技術を応用して広範囲のエリアを接続する点です。

通常のインターネットではなく、通信事業者の閉域網を使うことで、高いセキュリティと安定した通信を実現します。

このため、広域イーサネットは企業間の重要なデータ通信に適しています。

広域ネットワークのメリット・デメリット

メリット

  • 柔軟なカスタマイズ: 広域イーサネットは、IP-VPNと比べて、会社のニーズに合わせて、より自由にネットワークを設計・構築することができます。そのため、特殊なプロトコルや技術を使う必要がある場合でも対応できます。
  • 高セキュリティ: 広域イーサネットは、IP-VPNと同様に、閉域網を利用するため、外部からの不正アクセスやデータ盗聴のリスクを減らすことができます。
  • 高速通信: 広域イーサネットは、イーサネット技術をベースとしているため、大容量データの送受信もスムーズに行える高速な通信が可能です。
  • 高い信頼性: 広域イーサネットは、通信事業者が提供する閉域網を使用するため、信頼性が高く、安定した通信品質を確保できます。

デメリット

  • 高コスト: 広域イーサネットは、高品質な通信とセキュリティ、そして柔軟性を提供してくれる一方で、初期費用や毎月の費用が高額になってしまいます。そのため、導入コストを抑えたい企業にとっては、大きなデメリットと言えるでしょう。
  • 専門知識が必要: 広域イーサネットの導入や運用には、ネットワークに関する専門的な知識が必要となります。そのため、専門の担当者を置くか、外部の業者に依頼する必要があり、導入までに時間がかかったり、運用管理が大変になる可能性があります。
  • 導入の複雑さ: 広域イーサネットは、設計や設定に時間がかかり、導入プロセスが複雑になることがあります。

広域ネットワークの利用シーン

  • 金融機関: 高速な取引処理や大容量データの送受信が頻繁に発生する金融機関では、高速かつ安定した通信環境が求められます。広域イーサネットは、そのような金融機関のニーズに応えることができるネットワークサービスです。
  • 研究機関: 研究機関では、特殊なプロトコルや技術を利用したネットワーク構築が必要となるケースがあります。広域イーサネットは、柔軟なカスタマイズ性により、そのような特殊なニーズにも対応することができます。
  • 通信事業者: 通信事業者は、顧客に対して、多様なニーズに対応する柔軟なネットワークソリューションを提供していく必要があります。広域イーサネットは、その柔軟性と信頼性の高さから、通信事業者自身のネットワーク基盤としても活用されています。

広域ネットワークは個人でも使える?

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広域イーサネットは、企業向けに作られた高度なネットワークサービスなので、個人で利用することはほとんどありません。

高コストで複雑な導入手続きが必要であり、個人で利用するにはオーバースペックといえるでしょう。

広域ネットワークの導入手順

  1. 広域イーサネットサービスを提供している通信事業者を選びましょう。
  2. どんなネットワーク構成にするか、必要な通信速度はどのくらいか、提供エリアはどこまでかなどを決定し、見積もりを依頼しましょう。
  3. 通信事業者と契約を結び、回線敷設や機器の設置を行いましょう。
  4. ネットワークの構築および設定を行い、問題なく動作するかを確認しましょう。

4つのVPNタイプ別に見る導入費用の目安

マモル

4つのVPNタイプ別に、だいたいの費用感を掴めるようにまとめました。ただし、費用はあくまで目安です。

実際の費用は、利用規模、サービスプロバイダー、契約内容、必要な機器などによって大きく異なる場合がありますので、必ず複数の業者から見積もりを取り、比較検討するようにしましょう。

VPNタイプインターネットVPNエントリーVPNIP-VPN広域イーサネット
初期費用
回線工事費不要 (※1)場合により発生発生する場合が多い発生する場合が多い
機器購入費不要 (※2)数万円~数十万円数十万円~数百万円数十万円~数百万円
設定費用不要 (※3)数万円~数万円~数十万円数十万円~
月額費用
利用料金数百円~数千円数万円~数十万円数万円~数百万円数十万円~
回線費用インターネット回線費用インターネット回線費用 + 閉域網費用閉域網費用閉域網費用
保守費用サービスに含まれる場合が多いサービスに含まれる場合が多い別途契約別途契約
  • ※1 インターネット回線工事費について
    • 既にインターネット回線があれば不要です。新規で回線を引く場合は、別途費用が発生します。
  • ※2 機器購入費について
    • インターネットVPNでは、パソコンやスマートフォンにアプリをインストールして利用するのが一般的で、専用の機器は不要な場合が多いです。
    • エントリーVPNでは、VPNルーターなどの機器が必要になる場合があります。
    • IP-VPNや広域イーサネットでは、専用ルーターやセキュリティ機器など、高機能な機器が必要になるため、費用が高額になる傾向があります。
  • ※3 設定費用について
    • インターネットVPNは、比較的設定が容易なため、サービスに設定サポートが含まれていたり、自身で設定できる場合が多いです。
    • その他のVPNタイプでは、ネットワーク構成やセキュリティ設定などが複雑になるため、専門業者に依頼するケースが多く、設定費用が発生します。
  • 補足
    • 上記以外にも、セキュリティ対策ソフトの導入費用や、運用・保守を外部に委託する場合の費用などが発生する可能性があります。

          それぞれのVPNタイプで、費用項目や金額感が大きく異なることがお分かりいただけたのではないかと思います。

          VPNの4つの種類のまとめ

          今回は、4つの主要なVPNの種類について、その特徴や仕組み、メリット・デメリットを詳しく解説しました。

          • インターネットVPN:低コストで手軽に始められ、個人利用や小規模事業者に最適。インターネット回線を利用し、NordVPNやExpressVPNなど多くのサービスが存在。
          • エントリーVPN:インターネットVPNと専用回線VPNの長所を組み合わせた、中小企業向けのコストとセキュリティのバランスが良い選択肢。閉域網を利用し、安定した通信と高いセキュリティを提供。
          • IP-VPN:最高レベルのセキュリティと安定性を誇り、金融機関や医療機関など、高いセキュリティが求められる環境に最適。通信事業者の閉域網を利用し、外部からの脅威を避ける。
          • 広域イーサネット:柔軟なカスタマイズ性と高いセキュリティを両立し、高度なネットワークを求める企業向け。特殊なプロトコルや技術が必要な場合に有効。

          それぞれのVPNの特徴を理解し、自分の利用シーンや必要なセキュリティレベルに応じて、最適なVPNを選んでみてください!

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